皆さまごきげんよう、ラッキー・リーです。
あつカマ通信vol.19は『珍奇絶倫 小沢大写真館』のご紹介です。
本書は、昭和の名優・故小沢昭一さんの手による写真集です。
小沢さんは、写真屋の息子さんだそうですが、私にとっては、長寿ラジオ番組『小沢昭一的こころ』のあの小沢さん、という印象の強い方ですね。
日本にドラァグクイーンが生まれる前の、東京ゲイボーイショーの御姉様方や、レズビアン・スナック、ヌード・スタジオや特殊浴場の従業員、カルーセル麻紀さんや団鬼六さん、さらには東京各地の遊郭後の写真など、どれも私の心を鷲掴みにするものばかりです。
本書の発行は今から半世紀近く前の昭和49年、東京にも古い街並はたくさん残っていはずですが、それでも近代化の波を受けて、急激に色々なものが姿を消していく最中であったと思われます。
それと軌を一にして色薄れる人の営み、その濃密な残り香を訪ねて、小沢さんは各地を歩き回ったのではないでしょうか。
その眼差しには、思春期の少年のような好奇心が満ちており、性交後の匂いを思い起こすような読後感がありました。
個人的にたまらなく好きな一冊です。
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